文化

古布を素敵に蘇らせることが出来る裂き織り 織の会の皆さん

かやぶきの館から上に登っていくと滞在型農園土恋処があり、敷地内に「はた織り」の工房があります。 この日は、ちょうど色とりどりの織物やカバンや洋服、衝立などが展示されていて素敵な空間でした。

ひと昔前の時代 靴下と糸は強かった

本日はよろしくお願いします 「織の会」はいつから始まりましたか(伊藤)

グリーンビレッジ横川が始まった頃からですから26年です。色々な女性グループが活動した中で、はた織りは約20年、メンバーは9名でスタートし現在は8名です。毎月第2・第4月曜日に活動しています。やってみたい方はお気軽に見学に来てください。糸をはた織機に設置する工程では、色々技術力が必要ですが、織る段階になれば足を組み替えるだけですので、どなたも出来ますよ。本格的に体験したい方は丁寧にご指導しますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

織りの材料として着なくなった和服や布団生地など使っていますが、中にはしつけがついたまま一度も袖を通していない着物もあります。蔵を片付けた際に見つかった着物だったり、親御さんの形見の品だったり。親御さんが苦労して仕立ててくれた着物たちを見ると、なんとか活かしてあげたい気持ちになりますね。綿や絹などの素材も様々で、物によって、すっと裂けるもの裂きにくい物があります。これは生地の組織の違いもありますが、昔の糸が丈夫だったという理由もあります。靴下も丈夫でした。(笑)裂いた糸は紡いで1本の長い糸状にしていき、横糸にして織りあげます。布の色合いや素材によって、思っていない様な模様が出ると感激します。今日展示してあるバッグや小物はデザインはオリジナルです。色々見に行って参考にしています。

こちらは絞りの半纏ですか(伊藤)

これは材料として持ち込まれた着物ですが、流石に裂いてしまうのはあまりにも勿体無いと思い、少し縫い直して着させていただいています。

リボンをつけてアレンジしました

たて糸を作っています

世界に1つだけの唯一無二の作品

完成をイメージされてから織り始めますか(伊藤)

それもその時々で様々です。ある程度こんな出来上がりを想像して、織っていくうちに工夫を重ねながら仕上げて行きます。偶然のアイデアが浮かぶ時もあります。今では大量生産で安く手に入りますが、長くは愛用できない。みんなが同じ洋服ですし、飽きが来てしまう。着なくなったら処分する。裂き織りは、大量消費することが当たり前になっている今、世の中において物を大事にする精神も私たちに伝えてくれます。

はた織り機はどのくらい前のものですか(伊藤)

ここにあるものは全ておおよそ100年位経っているはた織り機です。それぞれに機械のクセというか特色がありますので使いこなすのに苦労しています。

裂き織り(さきおり)とは
 たて糸は普通の糸、よこ糸代わりに細くひも状に裂いた布を織り込む織物を裂き織りと言います。日本での裂き織りが盛んになったのは江戸時代。贅沢禁止令が発令され新しい布地を使えなくなった人々が古い布を裂いてよこ糸としたリサイクル精神から始まったとされています。

今年の紅葉まつりにてはた織り体験をしました

2024年10月27日の紅葉まつりにて初めて「はた織り体験」が行われました。若い方も興味深そうにコースターを織り上げていました。

気軽に集まることが大切

「織の会」は、お茶会しながら、色々なことをおしゃべりするのが楽しみです。最近は目も弱くなって様々な作業をするのも大変だけれども、こうやって集まる時間は大切ですね。冬の時期は寒くてなかなか難しいけれどね。「出て来て〜」と声をかけあってね。

かやぶきの館のスタッフは「ねこ」が手放せません(伊藤)

軽くて温かいでしょう。袖が無いから動きやすいし。完成までには織り上げに時間がかかり、大量には出来ませんが、喜んでいただいてうれしいです。「綿入れねこ」は沢山ありますが、「裂き織りねこ」はちがった味わい深さがありますね。

かやぶきんちゃんが蘇りました

かやぶきんちゃんを リメイクしてくださいました(山崎)

かやぶきの館がオープンした当時、皆総出で「かやぶきんちゃん」のマスコットを作りましたね。いくつ作ったかわからないくらい沢山!ちりめんの布なので手触りもいいですしね。

今やSNSで大人気なんですよ(山崎)

 

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