地方移住

春の空き家ツアー  いま、川島へ移住を希望する人々

 2021年3月20日、辰野町川島区への移住を希望される3家族8名を対象に空き家ツアーを開催しました。コロナ禍で都会から移住する流れが全国的にも加速する中、暖かい春の訪れとともに川島でも移住を希望される方からの相談が続々と寄せられています。普段は相談をお受けしたタイミングで個別にご案内することが多いのですが、今回は3家族が同じタイミングで家を探されることになったため、合同で空き家見学ツアーを行いました。コロナ禍のいま、川島への移住を希望される人はどんな人なのか。どんな理由で移住をしたいと考えているのか。お話を伺いました。

子どもを小規模の川島小学校に通わせたくて

ケース1 Mさんご家族(40代ご夫婦とお子さん年中)

静岡県出身で現在は近隣の市町村に在住のMさんご家族。ライターのご主人が辰野町のシェアオフィスSTUDIO リバーを利用しているご縁で川島小学校の存在を知り、移住を検討されています。

ーMさんは今お住まいの場所もお子さんを小規模の保育園に通わせたくて選ばれたんですよね?

(Mさん)そうですね、うちの子には小規模のところが合っているかなと思って探しました。園児数10名ほどの保育園に通っているんですが、小学校をどうしようかと思っていたところ、辰野のシェアオフィスで川島小学校のことを聞いたんです。それで昨年9月に川島を案内してもらいました。保育園も小学校も学年ごとの保育や教育よりも異年齢の交流がより増えそうな場所で社会性を育んで欲しいと思っています。さらに、自然の中で遊び方を見つけられるような生きる知恵を身につけられたらいいなと思っています。将来的には自然の多い田舎に住みたいなと思っていたので移住も視野に入れて考えているところです。

ー実際に川島を訪れてみてどんな印象をお持ちですか?

(Mさん)自然環境をとても気に入っています。僕は広瀬さんが東山魁夷の絵に例えたあの南側の山の風景がすごく好きです。妻は駅を背にして田んぼの中を真っ直ぐに走るあの道がすごく落ち着くみたいです。

ー空き家ツアーはいかがでしたか?

(Mさん)色々な物件を見せてもらっただけでなく、見学後の懇談会で聞きたいなと思っていたことを聞けたのが良かったですね。今日見せてもらった物件もぜひ検討してみたいなと思っています。

炭焼き職人になりたくて

ケース2 Oさんご家族(30・40代ご夫婦)

ご主人が岡谷市出身で、これまで都内で植木や庭園、花壇などご夫婦ともに植物に関わる仕事をされてきたOさん。とても嬉しいことに以前かわしま地域新聞で特集した炭焼きのインタビュー記事を見て問い合わせをして下さり、2月に初めて来訪。その際、川島を気に入ってくださり、本気で移住に向けて家を探されることになりました。

ーOさんはどうして炭焼き職人になりたいと思われたんですか?

(Oさん)炭焼きって切った木を炭にすることで無駄なく使える方法だと思うんです。これまで都内で植木や庭園管理の仕事で木を切ってその枝などをゴミとしてお金を払って捨てていたんですが、なんだか無駄になってしまっているなと感じていたんです。環境にいいというか、無駄にならないことをしたいなと思ったんですよね。今は炭が生活で使われることが少なくなってきましたが、それでも様々な使い方としての需要はあると思うので、活かし方だと思ってます。もっと炭が生活の中に取り入れられるような提案もしていけたらと。

ー奥様は農業にも興味があるとか?

(Oさん)そうですね、これまでガーデナーとして花に関わる仕事をしていたので農業はとても興味があります。自分で種を蒔き、育て、その命をいただくということができたらと思っています。地域の皆さんに色々教えていただきたいです。

コロナ禍だから子どもをもっとのびのびと育てたい

ケース3 Kさんご家族(50代ご夫婦とお子さん小5)

ー川島小学校への転入を希望されているということですが、どちらで川島小学校のことを知りましたか?

(Kさん)沢底区で農業体験できるツアーに参加したんです。そこで今の小学校の話をしたら、辰野町に川島小学校という小規模の学校があるよと教えてもらったんです。

ー現在は愛知県の小学校に通われているんですよね?

(Kさん)そうです。このコロナ禍で未だに給食の時は同じ方向を向いておしゃべりもしないで食べるとか、今の時期から年度内の大きな行事は中止が決まっていたりとか。子どもの楽しみが制限されていて可愛そうだなって。残り2年ですが、もう少しのびのびと子どもが学んだり遊べる環境がいいなと思って、川島小学校への転入を検討しています。

ーこのご時世なので、致し方ない部分はありますよね。川島小学校も他の学校と同様にコロナ対策で制限が加わることもあります。でも小規模な分、小回りがきくという利点はあるかもしれませんね。

(Kさん)家族と色々調整しなければいけないことは多いですが、子どものことを優先して前向きに検討できたらと思っています。

今回ご参加いただいた3組のうち、O さんご家族には後日炭焼きに参加していただいたり、空き家ツアーで気になった家を再度見に行く個別ツアーを行いました。住む家も決まり、5月末の移住を目指して現在準備中です。 移住という大きな決断をして来られる”Newかわしまびと”のエネルギーが、地域の皆さんのエネルギーと交わって、新たな地域の活性化につながる予感がしています!

移住相談で大切にしていること

今回ツアーにご参加いただいた方々はコロナ禍の前から移住を見据えていた人、コロナ禍だからこそ移住をしたいと思った人など皆さんそれぞれですが、共通しているのはこれまで川島の皆さんが守ってきた美しい自然環境をとても気に入ってくれているということ。移住を決断するにはご家族の同意の他、仕事や家、お子さんの学校など乗り越えるべきハードルが多々あります。そういった課題にひとつずつ寄り添いながら移住に向けてのお手伝いをすることが集落支援員としての仕事のひとつと考えています。そして何より大切なのが移住される方と受け入れる地域側がともにハッピーになること。そのために、先に川島に移住した者として今回の空き家ツアーのように移住を希望される方とお話する機会には必ず下記のことを説明するようにしています。 ○川島の歴史や慣習、この地に住む皆さんの思い ○各耕地ごとの耕地費や人足など自治会についての説明と参加協力 ○都会と田舎の常識の違い など

これまでに都会でしか暮らしたことがない方は川島に限らず田舎に移住して戸惑うことも多いでしょう。受け入れる地域側も一体どんな人が近所に引っ越してくるのか、とても気になるところ。家やその周りの環境だけでなく、川島という地域、そしてこの地に住む人々についてよく知ってから来ていただくことが大切です。そのためには何度かこの地を訪れてもらい、地域の人足を体験してみたり、イベントに参加してみるなど、地域住民の皆さんとデートを重ねるかのように交流する時間が必要に思います。先代の人々が築き、守ってきたこの美しい里山で、今まで暮らしてきた人も新しく移住してきた人もみんながハッピーに暮らせる、そんな場所であってほしいと願っています。 (文=川島区集落支援員 広瀬 美由紀)

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