地方移住

ここでこの家と一緒に育って行きたい 岡田 和さん・智香さん

岡田夫妻が川島に移住してきたのが2021年5月。当時は「はだか武兵衛」の碑がある一ノ瀬に住んでいましたが、今は源上に引っ越されました。ここの魅力、日々の暮らしについてお話を伺いました。

2年越しでようやく住めるようになりました

ここは元々はどなたが住んでいたのですか(伊藤)

かつて中村さんという方が住んでいたとお聞きしています。今は辰野町内に移り住んでいらっしゃいますが、この家に住むからには、私たちを身内だとおっしゃって。身内だから助けていく。というお気持ちがうれしかったです。今でさえ移住の方は増えていますが、僕からしたら新型コロナウイルス発生以前に移住された方「ゆがふ農園」の山浦泰さんファミリーや「月のもり」の市川直美さんはすごいなあと思います。親しくさせていただいている市川直美さんに源上に空き家があるけどどう?と声をかけていただいて、ここは異次元の世界でしたが「自分の好きなように出来る家」ということに魅力を感じ、引っ越しを決めました。(和さん)

智香さんのこの家に対する印象はいかがでしたか(山崎)

もうすごかったです。最初この家は凄まじかった!床もない状態で物はたくさんあって、雨漏りもしていたし、心が折れそうになりました。

私は市川直美さんから「オーガニックヴィレッジ」を作りたいというお話をお聞きしました。私はガーデナーで、植物を育てる仕事をしていますので、農薬や肥料は使わない考えなどをお話させていただいて、とても共感しました。何かお手伝い出来ることはないかと。(智香さん)

磨りガラスの趣のある戸

オーガニックヴィレッジ
有機農業の取組を進める市町村のこと。生産から加工・流通、消費まで一貫し、農業者のみならず、事業者や地域内外の消費者を巻き込んだ地域ぐるみの取り組み。

シンプルなものがおいしく感じます

この4月から本格的に生活が始まりましたが、とにかくシンプルな食事がおいしすぎます。特に「味噌汁」がおいしい!自分で作った味噌だけで優しい味を感じます。手前味噌ですが(笑)一ノ瀬に住んでいる時も思いましたが、更にここは味覚が研ぎ澄まされるような気がします。市川直美さんに味噌の作り方を教えていただきました。豆を蒔いて育てて。最近の1日のはじまりは、朝日の明るさと、鳥のさえずりで目覚めます。鳥の声も色々な種類が聞こえてきます。不安でいっぱいだったのですが、インフラを整えて、その不安は全て楽しみに変わりました。会う人皆さんに「元気そう」「楽しそう」と言われます。(智香さん)

かつての日本人はそんな暮らしでしたね(伊藤)

今ここは「カメムシパラダイス」ですが、虫はいて当たり前。逆に人間が虫の世界にお邪魔しています。という感覚でいます。すみません。住まわせていただいていますという謙虚な気持ちになりますね。田舎暮らしは、いいとこ取りは出来ない。虫だったり、寒さだったり、大変なことも多くてヘトヘトになることもある。ですが、ここの生活の楽しさはそれを超えてしまいます。本当に大切なことを見ることができれば苦になりません。カモシカにも出会ったことがありますよ。しばらく見つめあっていました。動物たちにとって、私たち人間は「侵入者」ですね!(智香さん)

雨上がり本当に楽しそうなお2人

人足も他へ引越しされた人たちがお手伝い

今日は人足でした。側溝の掃除などの作業です。源上の皆さんが頑張っている姿が伝わっているのでしょうか。他所に移り住んだ方々が手伝いに来てくださるんです!先日は源上神社の中連縄ないに参加してきました。息が合わないと最後に縄の長さが合わない。はいもう一回!やり直しみたいな。受け継がれてきた技を見せていただきました。(智香さん)

川島区には耕地毎に7つの神社がありますからね(伊藤)

源上の皆さん、かつて住んでいた方々で協力して作業をします。人足や総会の時のお漬物は本当においしい。ある方は、まだ会ってもいない僕らが来る前から「スズメ蜂の焼酎漬け」(虫刺されの薬)をあげようと思ってたんだよ。って。うれしかったですね(和さん)

源上神社

お金はもちろん大事。ですが自分で作り出すことに価値がある。

これからここでやりたいことはありますか(伊藤)

炭焼きはやりたい事の一つです。炭焼き職人になりたくてここに来たという経緯もありますので。一昨年、外のドラム缶で竹炭を作ってみましたが、見事に失敗しました。辰野高校前の竹藪から切り出した竹を使わせていただいて、やはり密閉されないとうまくいかないですね。機会がありましたらトライしたいですね。あとは、油の取れる植物を育ててみたいです。自分たちが育てた作物で何か加工できたらいいなあと思いますね。お金はもちろん大切ですし、これからもお金とお付き合いはしていくのでしょうけど、自分で出来ることを少しずつ増やしていきたいと思います。パソコンからの情報ではない情報量がここは多すぎて、それを拾えなくなっている自分のアンテナを実感します。頭が処理しきれませんね!(和さん)

ここは2階です
昔はお蚕さんを飼っていたそう

この家の周りの庭も畑も色とりどり、生き生きしていますね(山崎)

ヨモギひとつとっても香りが違いますね。ここに生えてくれている雑草も美しく愛おしいと感じます。仕入れた苗ではなくて、出会う草木花にご縁を感じて、あえてそのまま野放しにして変化を見守っています。ハーブなど虫除けや匂い消しなど、この寒さが厳しい土地でどの植物が生き残り、私たち人間に使わせてもらえるのか、これからが楽しみです。(智香さん)

面白いモノを見つけて面白く過ごしたい

川島に来て3年が経ち、やっとこのベースにたどり着き来ました。例えばトイレも水洗で、ただ流してしまうのではなく、食べ物をおいしくいただいて、体から排出することの大切さ。忘れてはいけないことです。私は水がきれいな場所に住みたいと思っていましたので、朝、山の湧水で顔を洗うととても気持ちがいいです。  私は去年からギターを始めました!あきらめる必要は全くないじゃないですか。ここでは何度でも挑戦できる場所。周りの方もいいですね!やりましょうとサラッと言ってくれる。今はYouTube先生と山浦泰先生(笑)に教えていただいています(智香さん)

お話をお聞きして

岡田夫妻といえば「ヒルナンデス!」かやぶきの館にロケが来た時のことを鮮明に覚えています。久しぶりに録画を見返してみましたが、本当に変わらないお二人。ますます好きになりました! (インタビュー=伊藤 優/山崎里枝 撮影・編集・デザイン=山崎里枝)

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