食事処

「幸せの秘訣は旬の食材を食すこと」中村さんが教えてくれる薬膳料理の奥深さ

川島は食材の宝庫。
それを食べない手はない。

平成9年に「地産地消」と「薬膳」をテーマに辰野町川島区にオープンした「グリーンビレッジ横川 かやぶきの館」。

当時、辰野町開発公社が経営しており、中村さんは役場の職員としてかやぶきの館に出向し、クラインガルデン(ドイツで盛んな200年の歴史をもつ農地の賃借制度のこと。「市民農園」もしくは「滞在型市民農園」とも言われている。)として人気な土恋処の立ち上げなどに関わった。

その後、現在の「ひなたぼっこ」で薬膳カレーなどを提供していた方が引退することになり、その後継に声がかかったのが中村さんだ。

子どもの頃から1日30品目食べるように言われていた中村さんは、日頃から薬膳や食材の効能について興味があり、本や新聞などから学んでいた。

平成19年5月、「縁側でひなたぼっこでもするような、くつろげる店でありたい」という想いを込めて「ひなたぼっこ」をオープン。

こどもには要望に応じてお子様メニューを用意してもらえる。この日はにゅう麺と香茸おにぎり、野菜と果物プレート。

「旬のものを美味しく食べることが薬膳である」をモットーに農薬を使わず、有機栽培で自ら育てた野菜を使った食事の提供を始めた。

「川島は食材の宝庫。上伊那は柑橘類以外は何でも作れると言われているし、特に川島はキノコが美味しい。松茸以外にも香茸は絶品!それらを食べない手はないでしょう?」

【とある日の冬のランチセット】お膳に並ぶ小鉢の数々。香茸の炊き込みごはんやかぼちゃのすいとん汁、漬物、デザートが付いて1500円

お膳に溢れる中村さんの愛

薬膳というと難しそうなイメージだが、中村さんによると難しい食材は必要ないのだという。春夏秋冬に土用の日を加えた5つの季節に1年を振り分け、その季節ごとに体に必要なものを摂ればいいのだ。

冬の間、寒さにじっと耐えて芽を出したフキノトウや山菜などの食材には苦みがあり、その苦みが私たちの体をデトックスしてくれる。夏野菜のきゅうりやトマトなどは水分を多く含み、体を冷やしてくれるし、冬至に食べるといいとされるかぼちゃは体を温める効能がある。きゅうりも夏に佃煮にして加工しておけば、体を冷やす食材ではなくなり、冬でも食べることができる。旬の時期に美味しく加工しておくのだそうだ。

食材にはそれぞれの効能があり、その季節に応じて体が欲する食材を難しいことは考えず、ただ美味しく、お腹いっぱい食べてほしい。それが健康につながり、幸せにつながるのだと中村さんは言う。

そんな想いから中村さんが提供するお料理は、漆塗りのお膳2膳に所狭しと小鉢が並ぶ。その数なんと20種類近く。どれもやさしくほっとする味だ。すべてを食したあと、体が喜んでいるのを感じる、そんな料理を食べに一度足を運んでみてはいかがだろうか。

【自家製フルーツと米粉のカスタード】 紫芋、りんご、ブルーベリー、千なりほうずき、米粉全て自家製

【かぶの漬物ときゅうりの佃煮】

【えごまのおはぎ】もち米、えごまは中村家自家製

【長芋と鶏ひき肉の煮物】中村家のゆずを添えて

【手作りのさしみこんにゃく】
わさび醤油でいただく

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