子育て

0歳から100歳までの「みんなのいえ」を NPO法人木の子の皆さん

川島区川上耕地の空き家を改修して、活動拠点に!改修資金をクラウドファンディングで募ったところ、目標金額を達成しました。5月のオープンにむけ改修作業真っ只中のお忙しい中、NPO法人木の子の代表、菊地ユミさんにお話を伺いました。

孤立感ゼロの社会を作りたい

本日はよろしくお願いします。木の子はどのような団体でしょうか。

 木の子は設立してから2年がたち、この4月から3年目です。会員さんは40人くらいでしょうか。辰野町外の方もいらっしゃいます。下は0歳の赤ちゃん、先日90歳のおばあちゃんが入ってくださいました。今までは川上公民館をお借りしていましたが、焚き火がNGなど制限があったり週3回は活動したいという事になり、この度一軒家を購入しました。

主な活動内容を教えてください

そうですね。学びの場として「里山スクール木の子」を運営しています。不登校のお子さんに限らず全年齢対象のフリースクールですね。対象は、0歳から100歳まで。多世代向けの学びの場として、一緒に畑で作物を育てたり、料理をしたり、椅子ヨガをしたりして過ごしています。

オープンの予定はいつでしょうか。

5月中旬には開所したいので、急ピッチで進めています。床は専門業者さんに依頼しますが、天井と壁は自分たちで修繕します。庭も広いので色々活用できそうで楽しみです。畑は別の場所に借りているので、この庭は遊び場にする予定です。

皆さんテキパキと作業をこなしていく

昔、お蚕さんを飼っていたであろう中二階へ登る

こちらの場所はどのような施設になりますか。

「みんなのいえ」なので、みんなが気軽に来ることができて、地域の方もゆっくりお茶を飲みに来ていただきたいですね。ふら〜っと寄っていただけるような場所にしていきたいです。それと同時にここは「学びの場所」。生きる知恵を伝承していけたらと思っています。今年から月に1回くらいのペースで、外部の講師の方をお呼びして、例えばアーユルヴェーダ、ヨガなどを行ったり、またアンガーマネジメント※など人との関わり方、子育て講座なども開きたいと思います。赤ちゃんの抱き方とか。昔は多世代だったので母親たちがコミュニティの中で自然と学べることも多かったと思いますが、今は核家族の影響で智慧の分断が起こっているように感じます。

※アンガーマネジメント(Anger management)とは、怒りを予防し制御するための心理療法プログラムであり、怒りを上手く分散させることができると評価されている。怒りはしばしばフラストレーションの結果であり、また自分にとって大事なものを遮断されたり妨害された時の感情でもある

学校でも社会でも教えてくれないことがある

郷土料理などの伝承もいいかもしれません。

お隣さんは小澤さかゑさんですね!おやきの作り方を教えていただけるとうれしいですね。

フリースクールの生徒さんは移住されて来るのですか。

今来ている子ども達は、辰野町内外から通ってきてくれています。木の子ではいわゆる勉強は教えていません。勉強以外の生きる智慧を学ぶ場です。生きていると困難に出会い行き詰ってしまうこともあると思いますが、そんな時どうしたらいいかということが自然と学べる場を目指しています。例えば、人間関係をどう解決するか。自分が傷づけられた時、心をどう修復すればいいのか。これらは、生きる上で大切なことだと思うのですが、残念ながら学べる場が少ない。だから作ろうと思いました。

「子育ては地域みんなで」熱く語る菊地ユミさん

誰しも不安、恐れ、孤独感を感じたことはあると思います。誰かとつながりたい時のための居場所が「みんなのいえ」です。この1つの家から始まる、あたたかなつながりを社会全体に広げて「孤立感ゼロ」の社会にしていきたいです。頼れる場所があるだけで、救われる方が大勢いらっしゃると思います。

家の改修中、食事・子守り担当のお母さん達

地域には様々なジャンルの先生がいる

我々大人でも同じです。コミュケーションの取り方で悩んでしまいます。

社会に出てもそうですね。自分で考え自分で解決しなければなりません。アーユルヴェーダ、ヨガはそこが強い。体をみていき、その後心をみます。その辺の要素も踏まえながらやっていきたいです。それに地域には「先生」が大勢いらっしゃいます。「畑仕事の先生」「森の先生」「子育ての先生」人と人との繋がりで学ぶことは大きいです。

オープンが楽しみです。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

土に戻るピカピカ麻たわし かやぶきの館で発売中

クラウドファンディング「みんなのいえプロジェクト」沢山の皆さまからのご支援ありがとうございました
 「誰も取り残さない、孤立感ゼロの社会を作りたい」という思いでスタートしたクラウドファンディング。おかげさまで1,619,000円の支援金が集まりました。資金を集めたいという目的もありましたが、それよりもこの取り組みに、想いにどのくらいの方が賛同してくれるのだろうか。それを知りたいと思いました。活動を通じて様々な方と知り合うことができました。活動自体はこれからがスタートです。沢山の方が笑顔になれる居場所を作り上げていきます!
NPO法人 木の子 tel.090-2419-4180(代表:菊地ユミさん) mail kinokoclub.kawashima@gmail.com

お話をお聞きして

改修中のお忙しい時間にお邪魔させていただきました。皆さん生き生きと作業している様子はジブリ映画の「紅の豚」を思わせます。女性だけで飛行機を作っているシーンが「木の子」の皆さんと重なりました。ジェンダーレスとはいうけれど、やはり女性の力は逞しく柔軟です。温かく頼れる居場所が広がっていきますように…。(インタビュー=伊藤 優 撮影・編集・デザイン=山崎里枝)

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