自然

川島の山は人間にとって必要な恩恵を受ける場所 三村裕昭さん

かやぶきの館では毎年、三村さんの庭の大きなフキをいただいて、キャラブキでお客様に提供しています。美味しい、美味しいとお茶をすすりながら、どこでふきを頂いたか話が弾みます。川島で生まれ、川島で育った三村裕昭さんにお話を伺いました。

おじいさんの背中を見ていた孫娘さんの決意

インタビューの場所は以前、精密機械事業をされていた場所をお借りしました。

ー本日はよろしくお願いします。お孫さんが最近川島に戻られたとか

そうですね。六次産業娘(※)とか言って、川島の松茸を世界へ!という目標ができたみたいなんです。孫は平成11年の11月11日生まれなんですよ。るるぶ特別編集辰野町の冊子制作のために、かやぶきの取材でお世話になりました。

六次産業※ 農業や水産業などの第一次産業が食品加工・流通販売にも業務展開している経営形態を表す。

ー雑誌るるぶ辰野町にはお孫さんと出演!うれしいですね。おじいさんの職人としてのお姿を見てらしたんですね。

高祖父の代から山を養生して自生松茸の保護育成収穫に携わって来た歴史があるからね。小さい頃から見ていたんだなあ。るるぶの冊子では山菜取り名人として掲載されていたけれど、松茸採りの方が長いです。昨日も息子と山の手入れに行って来ました。松茸を採りはじめて、かれこれ半世紀になります。伊那市で有名な松茸博士、藤原儀兵衞さんとは同級生。毎年出来栄えの連絡を取り合っています。川島の松茸は香りがとても高く、関東関西の高級料亭で取引されています。昨今はふるさと納税の返礼品として引き合いになっているようですね。長年松茸取りに重視していても出来栄えは明確にはわからないと言われます。

ー川島は地形的にも山を越えれば木曽に通じていますね

昔は木曽に抜けるにはこの川島の街道を通って抜けていました。直線距離で4キロぐらい、ちょうど贄川の宿に赤坂を通って抜けられます。ですから木曽から嫁に来たり養子にきたりしたもんです。

ー25年前のかやぶきの館のオープン時のエピソードを教えていただけますか?

かやぶきのある敷地もずいぶん提供させてもらっています。価格はボランティアのような価格になりますがね。かやぶきの立ち上げの時もかなり苦労しましたよ。運営委員が10名ほどいて、当時農水省の肝煎りで、進められました。途中、頓挫した時期もありましたが、地元や行政、国が三位一体になって取り組んだのがかやぶきの館です。ですから思い入れも強くありましたね。テレビでドラえもんの声優大山のぶよさんがかやぶきの館で出演した時には、予約の電話が鳴り止まないこともありましたね。大変な分、やりがいも多かったことを覚えています。マイクロバスの運転手も頼まれてしていました。

貴重な資料を見ながら当時を振り返る三村さん

ー川島の松茸への思いをお聞かせください

川島の松茸はブランドでもあります。香りや茎の太さも定評があり、信州は全国でもトップクラスの出荷量を誇り、さらに上伊那の中でも辰野町の出荷量は県内でも有数であります。長野県は平年作で31トンとも言われます。昨今では減ってきており、年によっては全く出ない年もあります。こればっかりは長年やっていても予測が立たないものですね。

お話を伺って

今回、三村さんとのインタビューを通しての気づきですが、川島というこの地をとても愛されているんだな〜と感じました。この里山はもちろんですが、ここに住まわれている方々を愛されているコメントが文章にはできないほど感じました。この川島には日本人が捨て去ろういとしている、囲炉裏、縁側、炭焼き、田畑、畳、奥戸、結、お付き合い、助け合い、がまだまだ残っている場所です。松茸も、里山を愛し続けた人々が長年守り続けたブランドになります。このように、次世代に繋ぐために日々、努力されている方々のお話をお聞きするのは楽しみであり気づきや学びが多いです。三村さんありがとうございました。 また。おじゃまさせて下さい。 魂の修行僧 金太郎 いとうまさるでした。

かわしま地域新聞が少し変わりました

いつも「かわしま地域新聞」をお読みいただきありがとうございます。 かやぶきの館がこの新聞を企画・制作・発行しております。川島の皆さまに寄り添い続けながらお届けしたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。お知らせ等、掲載して欲しいことがございましたら、かやぶきの館までご連絡くださいませ!tel.0266-44-8888

かわしま地域新聞は、信州・辰野町にある川島の里山暮らしやそこに生きる人々のライフストーリーをお届けするDIYなローカル誌です。発行:かやぶきの館 協力:長野県辰野町役場 企画・制作:かやぶきの館 問い合わせ先:kayabuki2019@gmail.com

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ほたるの光に誘われて 風とであう谷

初夏の里山コンサート 6月24日(土)・25日(日)開催します

未来への暮らし、本来ある豊かさを忘れないで 生きていってほしいという想いを音楽にのせて伝える グループとして里山で暮らす事の豊かさを伝えたい
NHK BSプレミアム「ニッポンの里山〜ふるさとの絶景に出会う旅」の楽曲をお届けします。5人の演奏家たちが一同に会し、日本のど真ん中、辰野町かやぶきの館で演奏会を行います。当日は辰野駅から送迎バスがでますので、お問い合わせください (行き辰野駅発13:00)(帰りかやぶきの館発16:30) 【日程】6月24日(土曜日)・25日(日曜日) 【時間】午後2時〜3時半まで(両日) 【場所】かやぶきの館 【チケット料金】3,500円

(文=伊藤優)(編集・レイアウト=山崎里枝)

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