地域創生

地域と都市の交流。違う価値観を持つ者同士が交わることで生まれる力。〈かわしま魅力発見ツアー事後レポート〉

いま、川島をはじめとした「地域」に風が吹いています。地方→都会の人口流失が問題となってきた日本で、都会→地方という地方回帰の動きが生まれ始めているためです。全国で移住希望の問い合わせが増えるなど、その動きは顕著に。長野県でも、コロナ以降の移住ラッシュを見据えて、地域のPRに力を入れ始めています。そんな中で、ここ辰野町・川島でも地域の魅力発信を応援してくれる「かわしまサポーター※」が35人生まれたことをvol.13でお伝えしました。今回は、12月5日、6日に行われた、「かわしま魅力発見ツアー」の様子や、彼ら彼女らが感じた川島の魅力、今後の関わり方についてご紹介したいと思います。

※かわしまサポーターとは?
 川島エリアの地域活性化を応援してくれる応援隊のこと。2020年9月から募集を開始し、3ヶ月間で35名のサポーターが誕生。顔ぶれは、東洋大学、慶應義塾大学、愛媛大学など全国の大学生や、デザイナー、写真家、大手IT企業社員といった社会人など様々。川島のファンになってもらうために、12月5、6日を含んだ全3回のツアーを地域おこし協力隊の北埜、鈴木が開催。サポーターの皆さんにはSNSで川島の魅力を発信してもらったり、東京で辰野町応援イベントなどを実施してくれ、今後も川島に来訪予定。

SBC信越放送でも取り上げられた「川島ツアー」

昨年2020年12月5日、6日は「かわしま魅力発見ツアー」と題して、首都圏や近隣地域から来たおよそ20人のかわしまサポーターが川島に来訪。地域の皆さんと交流会を行ったり、蛇石、かやぶきの館など観光スポットをめぐりました。そしてそのツアーの様子はなんとSBC信越放送のニュースでも取り上げていただくなど、大きな反響がありました。

特に今回のツアーで盛り上がったのは、かやぶきの館で行われた、地域住民の皆さんとかわしまサポーターとの交流会(表紙写真はその時の集合写真)。およそ3ヶ月にわたって、川島に関わり続けたサポーターからから見た川島の魅力や、川島でやってみたいことの発表や、逆に地域側からかわしまサポーターに対する要望が出るなど活発な意見交換がされ、会は熱気に包まれました。実際にそこで出た意見の一部をご紹介したいと思います。

ー川島に訪れてみて何を感じましたか?

「日本を探してもこのような美しい景観は少ないと思います。何度でも訪れたくなる場所だな、関わり続けたいなと思える場所です」「都会暮らしだった僕にとって、川島は全てが新鮮で美しい場所です。空間、食、人、どの角度を切り取っても素敵な場所。東京からも近いので、川島と東京の二地域居住をしてみたい」「人が本当に生き生きしている。“農家には夢を。農地には作物を”というかっこいいビジョンを持った農家さんや、全てを手作りしている薬膳料理の智子さんをはじめ、人生に生きがいを持って生きている人がたくさんいて、夢をもらいました」

中村智子さんの話に聞き入る

ー川島がもっと魅力的になるためのアイデアはありますか?

「情報発信。こんなに魅力的な場所なのに知らなかったので、SNSなどを使ってもっと発信してほしい」「いいな!と思った時に“お試し川島暮らし”ができるような移住体験向けの家があると嬉しい」「子育て世代の人は特に川島が気に入ると思うので、子育て世代をターゲットにした川島PRイベントの開催」「辰野、川島は日本のど真ん中にあるので、アクセス的にも東京や中京圏など都会の人の第2の故郷になり得ると思う。僕のように故郷がなく、探している人向けのセカンドハウスが川島にあると嬉しい」

あかねの会の皆さんと

ー今後、川島とどのように関わりたいですか?

「東京にカフェを持っているが、空き家を借りて川島に第2拠点を作りたい!」「今後家族で訪れ、第2の家を探そうと思っている」「智子さんの薬膳料理をぜひ教わりたいな〜と思っています。雑談薬膳お料理会、みたいな企画が実現できたらよいなと夢見ています」「田中友美さんがやっている、青い屋根の家のDIYのお手伝いに定期的に参加したい!」「部活の合宿を川島でやりたい!」

このような猛烈なラブコールがかわしまサポーターから発表され、その思いに応えるように川島住民の方からも様々な感想や意見が飛び出しました。

「川島では長年、外の人を招いてどろん田バレーをやってきた。高齢化で今はできていないが、若い人の力で復活させてくれたら嬉しい」「川島を訪れた人に喜んでもらえるように農家として田畑を綺麗にしている。川島の景観に感動してくれたようで私も嬉しい」「高齢化も進んでいるが、自分たち自身も改めて川島の魅力を感じることができた」

違う人生を歩んできた者同士だからこそ、生まれる力

サイトでご紹介できる意見はわずかですが、文章ではお伝えできないものもあります。それは会の熱量です。川島に惚れ込んだかわしまサポーターと、川島を愛する地域住民の皆さんの間で交わされた、本音の会話にはものすごいパワーがあり、会の後半は大袈裟ではなく場の温度が1度以上高まっているような、熱気に包まれていました。川島にずっと暮らしてきた地元の方と、川島を知らなかった都会の方々。異なる人生を歩んできた人たち同士が交わるからこそ生まれる、パワーをこの会から感じました。この熱量を絶やさずに、今後もかわしまサポーターの皆さんには川島の魅力発信や活性化に関わってもらう予定です。川島で彼ら彼女らの姿を見かけたらぜひ話しかけてみてください。(文=北埜航太)

 

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