地域創生

「ふるさと」に憧れてきた大学生が 休学・起業して川島の協力隊になるまで

すっかり春めいてきた川島に、新たな協力隊が着任しました。実は何度か地域新聞でも取り上げてきた大学生、小菅勇太郎くん。そんな彼が川島の協力隊になろうと思ったのは、マレーシア生活で実感した「コミュニティがあることの幸福感」だったんだとか。そんな小菅くんのプチストーリーをご紹介します。

ーまずは改めて自己紹介をお願いします。

慶應大学を休学中の小菅勇太郎です。地域活性化に関心がある若者が集うコミュニティ、「Rural Labo」の代表もやっています。川島の下飯沼沢に古民家を借りて、ふるさとを持たない人でも、第二のふるさとを気軽に持てることを目指して、会員制の二拠点シェアハウス事業を立ち上げています。

ー川島との出会いのきっかけは?

2020年に行われた、お困りごとtripでした。川島ツアーを通じて、「里山を次の世代につなげたい」っていう熱いを持って活動している方に出会えたことや、僕たちのような若い世代の考えや意見にも耳を傾けてくれる、オープンなところにも惹かれました。
川島の課題に少子高齢化・人手不足があると思いますが、逆に僕たちは地域に関わりたいと思う若い世代を巻き込んでいきたいと思ってきたので、ぴったりだなと。だからここで、いつでも帰れるもう一つのふるさとをつくろうって決めたんです。

お困りごとtripの様子

ーもう一つのふるさとづくりって?

都市部で生まれた人にもふらっと帰れる「行きつけの田舎」があったらいいなって思っているんです。理由は二つほどあって。一つは親が転勤族だったので、帰れるふるさとが自分にはなくて。ずっと田舎やふるさとに憧れがあったんです。
もう一つは子どもの頃の記憶です。小さい時は父に連れられて色んな国に住んだのですが、その中でも、マレーシアでの暮らしが一番幸せだった。

すごく自然が綺麗なところで、ビーチに公園兼バーのような場所があって。毎週金曜日になると、通っていたインタースクールの家族がみんなで集まる文化があったんです。子供たちは海に入ったり、鬼ごっこしたり。親同士はご飯を食べたり談笑したり、思い思いに過ごす。そうやって週一で学校の友達や家族と集まる機会があったので所属しているという居場所感を感じられて。いま思うとそれが自分の生活の豊かさをものすごく高めてくれていたなって思うんです。

借りている古民家にて

ー自分も東京で育ったからふるさとへの憧れはすごくわかるなあ。最後に今後はどんなことをしたい?

いま借りている古民家だけで完結するのはもったいないから、いろんな資源をつなげて「町まるごとホテル」的に、地域のコンテンツを繋げて面で盛り上げていきたいです。いま、川島はいろんな入り口から人が入ってきていると思うので、移住者も関係人口も観光客も、大学生も社会人も、いろんな属性の人が入り混じり合って有機的に繋がりあって、緩やかなコミュニティになっていくと、もっと川島や辰野に対して愛着を持つリピーターが増えると思います。
川島の皆さんとも一緒にバーベキューしたり、イベントを開けたらと嬉しいです!

文:北埜航太

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